「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」ではなかった淀川長治さん!最後の言葉は「もっと、映画を見なさい……」
「ハイ、またお会いしましたね!」、「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」。
89歳で亡くなった淀川長治氏は、駄作と評判の映画であっても決して貶(けな)すことがなかった。
そんな映画愛に溢れる人物が残した最後の言葉とは。
***
1998年の11月11日、東大病院の病室で淀川氏は最期の時を迎えようとしていた。
その手を、しっかりと握りしめていたのが、姪の美代子氏(雑誌「クウネル」編集長)である。
「叔父はもともと肉が好きな人で、正月にホテルですき焼きを食べるのが恒例になっていたのです。
それが、前の年ぐらいからあまり食べなくなって。
それでも休まず仕事を続けていたら、ある日、体調不良を訴えて私と叔父の知人が無理やり半蔵門病院に連れていった。
そうしたら、もっと専門的な病院で診てもらうことになって東大病院に入ったのです」
検査の結果、肝臓がんと大動脈瘤が見つかる。
だが、手術に耐える体力はないと診断された。
亡くなる2カ月前のことだ。
『日曜洋画劇場』(テレビ朝日系)の解説で知られる淀川氏は、
「映画の友」の編集長を経て独立、名人芸ともいえる独特の口調がお茶の間で人気だったのはご存じのとおり。
その淀川氏の姉の娘にあたるのが美代子氏だ。
早くに父親を亡くした美代子氏は、
母と、ずっと独身の淀川氏、そして祖母の4人で横浜の一軒家に暮らしていた。
「だから、叔父は私にとって父親みたいなものなんです。実際、私が社会人になるまで生活の面倒も見てくれていましたから。
質素な人でしたが、私にはケチじゃありませんでした」
やがて、美代子氏が家を出て、祖母も亡くなると、87年から淀川氏はテレビ局の近くにある全日空ホテルのスイートルームに移る。
「部屋はいつも担当がついていて、掃除や家事をやってくれるのですが、リビングはいつもグチャグチャ。
配給会社から送られてきたビデオや映画の資料、出版社から届いた雑誌や本が無造作に積まれ、床にまで敷き詰められていました。
でも、絶対に捨てない。もらったお菓子まで捨てないでずっと取ってあるんですが、決して人には触らせませんでした。
少しでも動かすと“これ、動かしたでしょ!”と怒られるんです」
朝起きて朝食を詰め込むと試写鑑賞やテレビの収録、それから講演などをこなしてまたホテルに戻り、深夜2時、3時まで原稿執筆という毎日。
マネージャーを雇わず、スケジュールは全部自分で管理していた。
◇亡くなる前日も収録
「“どんな作品でも褒める”と言われましたが、評論を書くときはキッチリ批評していました。
『日曜洋画劇場』はだんだん視聴率優先のアクションものが増えて、本人の中でも不満や葛藤はあったと思いますが“どんな映画にも必ずいいところがある”が叔父の口癖でした」
淀川氏が入院すると、毎日見舞いに行くのが美代子氏の日課になった。
「“長く居なくていいから毎日来てほしい”と言われたのです。
病院では車椅子で散歩したりするのですが、30分もいたら“もう帰って!”と言われてしまう。
試写会に行けない代わりに配給会社などから沢山のビデオテープが送られてきて、病室でも毎日のように見ていました」
病状は最後まで本人に告げなかった。
「ああ見えて叔父はすごい怖がりだから、言わなかったのです。
“僕、死ぬんじゃないの? ここ四(死)階だし”なんて言い出すから、“4は私のラッキーナンバーだから大丈夫”って励ましたものでした」
それもあってか淀川氏は、入院中もベッドを抜け出して講演(慶応大学)に出かけ、原稿の執筆も続けた。
亡くなる前日も車椅子で『日曜洋画劇場』の収録をこなしている。
そんな淀川氏が、枕元で「言い残したことがある」と美代子氏に告げたのは、
昏睡状態に陥る直前のことだ。
「もっと、映画を見なさい……」
「最期まで本当に映画のことばかり。いい思い出ばかりですが、相当に変わり者だったと思います」
そう振り返る美代子氏。誰よりも映画を愛し、
映画に寄り添った淀川氏らしい最後の一言だった。
「60周年特別ワイド 輝ける明日への遺言」より
週刊新潮」2016年3月17日号 掲載
デイリー新潮 3月20日(日)5時0分
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160320-00506653-shincho-ent
放送したかったろうな
もう最後のほうの解説時代は
放送する作品のことより
関連ある話から繋いで昔の話ばかりしてたな
感動
最終回の解説がラストオブモヒカン。痩せて声も出ず仕事への執着が凄まじい
汲み取れるかどうかの問題だろ
日曜洋画劇場で邦画が放映されるときは解説してなかったよね
やってもアニメかそこの局でやってたドラマの映画版とか。
地上波では、こういう付加価値がないと観ないよな。
元スレ: http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1458427656/
いつの話だよ(笑)
30代でもギリだろ?
この人勧める映画面白いしな
先入観なしで、どのレベルまで感じられるか
なんだろうな。
制作における制約や制作を取り巻く環境や時代背景とかも考慮したうえで、自分の行った行動や発言がどういった影響を及ぼすかもある程度気にしてたんだろうなと俺は思うよ。
昔はどこもやってたけど、深夜位だね解説するの
子供の頃はジジイうるせーさっさと映画始めろって思ってました
※5
今やってもそんな感じになっちゃうんだろうなぁ…
最後の解説はラストマン・スタンディング