【ネタバレ注意】『あの花』スタッフが送る、感動の青春カタルシス映画『心が叫びたがってるんだ』
話題のアニメ映画『心が叫びたがっているんだ』が一般公開され、アニメファンを感動の渦に巻き込んでいる。
・・・2011年に一大ブームを巻き起こし、最近では実写ドラマ化もされたアニメ『あの花』こと、『あの日みた花の名前を僕たちはまだ知らない』。
アニメファンではなくとも、この作品の名前を知っているという方はいるのではないだろうか。
DVD/BDの一巻は4万枚以上を売上げ、2013年に公開された劇場版はオリジナルアニメ映画作品としては当時、日本歴代二位の記録を打ち立て、舞台となった秩父には聖地巡礼と称し多くの人々が足を運んだ。
文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品アニメーション部門をはじめとした多くの賞を総なめにしたのである。
この作品を手掛けた監督、「長井達雪」さんそして、脚本家の「岡田まり」さん、キャラクターデザイン「田中将賀」さん。
この三人が再び集結しこの秋、完全オリジナルストーリーの劇場版作品が公開された。
その作品こそ、『心が叫びたがっているんだ』、通称『ここさけ』です。
初週5日間で、なんと動員約23.5万人、3億円を突破した大ヒット上映中の映画です。
今回はそんな話題の映画『ここさけ』をレビューしていきたいと思います。
ネタバレを含みますので、未見の方は注意してご覧ください!!
◆『心が叫びたがってるんだ』のあらすじ
幼少のころ、言葉で人を傷つけ家族がバラバラになってしまい、その罰として『たまご』によって声を奪われた少女『成瀬順』。
時は流れ、高校生になった順は声だけでなく心までふさぎ込んでしまっていた。
クラスになじめずノートに自分の思いを書きなぐる日々が送っていたある日、担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命されてしまう。
年に一度、学年ごとに1クラスが選ばれ催しものを行うイベント。
順と共に選ばれたのは、本音を語らずどこか心の読めない少年「坂上拓実」、やさぐれた野球部の元エース「田崎大樹」、
チアリーダー部の世話焼き優等生「仁藤菜月」
はじめのうちはおしつけられた仕事に乗り気じゃないクラスメイトたち。
演目は「ミュージカル」に決定するも、やはりクラスは一丸になれずにいた。
その中で順は、声は発せられなくても言葉を「歌に乗せる」ことで気持ちを伝えられることに気付きはじめる。
順の思いに気付いた拓実は「もしかして、ミュージカルやりたかったりする?」と問いかける。
順は「今まで伝えられなかった、本当の気持ちを歌いたい」「私の言葉を歌にしてほしい」訴える。
不器用ながらも順の一生懸命な姿に次第に実行委員の4人が、そしてクラス全体が一つになっていく。
同時に、順は自分の拓実に対するある「気持ち」に気付いてしまう。
◆『心が叫びたがってるんだ』は喋らないヒロインと、伝いたい気持ちがメインテーマ
この映画のメーンテーマというか、メッセージはやはり『言葉』『気持ちを伝えることの難しさ』そして、『青春の葛藤』。
言葉を発さずに、唯一のコミュニケーション手段はメールという斬新な設定のヒロインにまずは注目してみてみよう。
今作のヒロインである順は、言葉を喋ろうとすると幼少のころに『たまご』に受けた呪いによりお腹が痛くなってしまいます。
言葉を一言喋るだけでも、とても必死になってしまうのです。
https://www.youtube.com/watch?v=mllee2j-l-c
http://anibu.jp/kokorogasakebi-18779.html
*続く
こうした言葉や気持ちを伝えたくても伝えられないヒロインという構図はTVアニメの『あの花』でも、主人公の「じんたん」以外コミュニケーションがとれない幽霊の「めんま」というヒロインを描いていましたが、
順はあっけらかんとして性格のめんまに対して、より人間くささを感じるヒロインであると思います。
言葉を喋らない変わりに、おおげさな表情やしぐさがとても愛らしかったり、
お城や王子様を夢見る乙女チックな面をもっていたりと、かなりキャラがたったヒロインなんです。
姿が見えず、最後の最後にめんまが姿を表す『あの花』のラストのように、
終始言葉を発さないヒロインだからこそ、あのラストの展開やミュージカルのシーンはとても映えるものがあるのです。
ためてためてためて、最後に言葉溢れる。そんなカタルシスを感じさせるラストにつながっています。
◆『心が叫びたがってるんだ』は、それぞれに抱える『葛藤』が甘酸っぱい
そしてもうひとつのテーマ、『青春の葛藤』。
順を軸にストーリーが進みますが、メインキャラ四人にはそれぞれ様々な悩みを抱えています。
両親の離婚や、菜月との失恋で自分の内面にふさぎ込んでばかりの「拓実」、野球部の元エースで期待されながらも怪我をしてしまい心にぽっかりと穴が開いてしまった
「大樹」、拓実と中学生時代に恋人同士だったもの、些細なことから別れてしまったことのわだかまりを拓未同様に持ち続ける「菜月」
それぞれが心の中に「言いたいけど口に出せない気持ち」を抱えた四人が、
「地域交流会」の出し物として披露するミュージカルを創り上げる為に交流し、徐々に互いに心を開き合っていきます。
『恋』だったり『部活』だったり『人間関係』だったりと、本当に高校生らしいささいなこと。
でもそんな等身大の高校生像を切り取った王道ものの青春群像劇のこの映画に共感し、涙し、最後には心を暖かい気持ちにさせくれます。
物語の終盤の軸となるミュージカルシーンもかなり気合が入っています。
それぞれのキャラの葛藤や気持ちとミュージカルシーンがシンクロしていてとても面白い演出になっていて、そこも注目ポイントです。
◆『あの花』キャラも登場!? 細かいところに注目しよう
最後に、『ここさけ』では『あの花』と同じスタッフ、
そして同じ秩父が舞台ということで『あの花』に出てきたあのキャラが登場したり、拓実があの曲を聴いてたり、
あんな小ネタだったりというのが実はいっぱい隠されています。
何回もリピートで観るといろいろな発見ができるかもしれません。
ぜひぜひいろいろなところに目を凝らしながら観てみてください。
*以上
のほうがしっくりくる
元スレ: http://anago.2ch.sc/test/read.cgi/moeplus/1444287827/
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