2015年6月19日（金）TOHOシネマズシャンテほか

公式サイト
http://glory.gaga.ne.jp/

監督　エバ・デュバーネイ
製作　クリスチャン・コルソン
　　　デデ・ガードナー
　　　ジェレミー・クライナー
　　　オプラ・ウィンフリー

キャスト　デビッド・オイェロウォ
　　　　　トム・ウィルキンソン
　　　　　キューバ・グッディング・Jr.
　　　　　アレッサンドロ・ニボラ
　　　　　カルメン・イジョゴ

1965年3月7日、前年にノーベル平和賞を受賞したマーティン・ルーサー・キング・Jr.牧師の指導の下、アラバマ州セルマで黒人の有権者登録の妨害に抗議する600人が立ち上がる。

白人知事率いる警官隊は力によってデモを鎮圧するが、その映像が全米に流れると大きな声を生み出し、2週間後に再び行われたデモ行進の参加者は2万5000人にまで膨れ上がる。

事態はやがて大統領をも巻き込み、世論を動かしていく。

主人公となるキング牧師を演じたデビッド・オイェロウォほか、
トム・ウィルキンソン、ティム・ロス、キューバ・グッディング・Jr.、
プロデューサーも兼ねたオプラ・ウィンフリーらが共演。

主題歌「Glory」が第87回アカデミー賞で主題歌賞を受賞。

少しは見せ場作ってやれよ
邦題はセルマで良かったんじゃないのか

アカデミー賞受賞した曲のタイトルを作品名にしたのは上手いと思う

しかし書き込み少ないな・・・いい映画なのに

それでもあえて製作陣は地名セルマを
映画のタイトルにしたわけだから、
なにか具体的な理由がない限りは
意をくんでそのままの方が良かったな

グローリーなんて抽象的な単語、
どの映画のタイトルになってもおかしくないし、
主題歌が日本でヒットしてるわけでもない

タイトルに「キング牧師」入れるレベルの改変だったら
邦題としての良し悪し、センス云々は置いといて、
タイトル変えて観客呼ぼうという意図だと理解できる
だがセルマをグローリーに変えても観客は増えないだろ
それなら原題通りの方が良い

我々がこの地で、アラバマ州兵の前に立ち
”誰の圧力にも屈しない”と言っていることを

私はあなた方に伝えたい
いかにこの瞬間が困難でこの時間が歯がゆくとも
結束の日は近い
踏みつけられた真実は再起するからだ

キング牧師の基本作戦がどんなものか、

舞台を見つけて非暴力の抵抗運動
→暴力ふるわれる
　→報道される
　　→世論動く
　　　→政治が動く

という流れの作戦なんだというのは
物凄く分かりやすく作ってあった

でもその分かりやすさの犠牲になったのが
ジョンソン大統領の描写かな
「政治が動く」ってのがこの映画では
「大統領が動く」に集約されてる
だから作戦実行前のジョンソン大統領が
とても消極的、非協力的な人物に見える

でもセルマから離れた政治の流れをやると
きっと映画が散漫になるんだろうな

キング牧師の非暴力作戦の苛烈さと、
そういう作戦を取らざるを得ない状況の厳しさと、
そんな中でのリーダーとしての葛藤と、
そういうメインテーマはよく伝わってきた

冒頭で、こういう問題がありますよと紹介し、
それをなんとかするために主人公達が動いて、
結果こうなったという、
とてもシンプルな筋になってる
運動全体を描いたらきっとこうはならない

聖人か否かとかいう問題から離れて、
一運動家としてのキング牧師が描けてるのもいい

似たようなコンセプトでやろうとして
あまり上手くいかなかったリンカーンと比べて、
こちらは成功例と言っていいんじゃなかろうか

ラストで演説と字幕が同時に流れてゴチャゴチャし
あまりカタルシスが得られなかったのは残念だが