D・リンチ監督インタビュー!新「ツイン・ピークス」以外を語る
【5月3日 AFP】
米映画監督のデヴィッド・リンチ(David Lynch)氏(71)は、イスにもたれかかり、魚釣りとガチョウについてのたとえ話を、いつもの謎めいた表情に時折いたずらっぽい笑みを交えて語った。
インタビューに応じるその姿は、まるでオールバックのイエスのようだった。
インタビューの途中、映画制作からの引退を宣言するような言葉が飛び出した。
しかし、この巨匠の言葉の真意を探るのは難しい。
というのも、彼の言わんとすることは、発せられるいくつもの言葉の塊のなかでしばしば見当違いとなるからだ。
数々の同世代の映画監督の中で最も偉大な存在の一人と考えられているリンチ氏は現在、テレビドラマ「ツイン・ピークス(Twin Peaks)」続編のプロモーション中だ。
1990年代に放送された人気シリーズの続編で、米国では、ケーブルテレビ局ショータイム(Showtime)で21日から放送が始まる。
リンチ監督は近年、ミュージックビデオや短編作品を手掛けている他、コメディー作品への出演も試みている。
しかし、長編作品は2006年の『インランド・エンパイア(Inland Empire)』を最後に1本も作っていない。
同作品は、世界興行収入400万ドル(約4億5000万円)と数字的には振るわなかった。
映画に関しては、
「この11年間でいろいろと大きく変わった。その一つは長編映画に対する人々の考え方。多くの映画が興行的に成功を収めていない。たとえそれらが偉大な作品であったとしてもだ」
と述べ、
「そして興行的にうまくいっているものは、わたしがやりたいと思うものではない」
と続けた。
この言葉の意味について、リンチ監督にとっての最後の長編映画はすでに撮り終えているということなのかと質問をぶつけたところ、ケーブルTVは今や「素晴らしいメディアになった」と分かりにくい回答が返ってきた。
つまり、答えはイエスですか?
と食い下がると、今度は「そうなのかもね」と答えた。
結局、リンチ監督の言葉をうのみにすることはできそうにない。
■現実と夢の境界線
町一番の美しい女子高校生の殺人事件を中心に展開する「ツイン・ピークス」の第1シーズン(全8話)は、映画レベルのクオリティーを携えた新たなテレビ番組のあり方を提示し、時代を先取りする存在となった。
しかし、第2シーズン(全22話)の途中で真犯人が判明してしまうと、その後の注目度は徐々に下がっていった。
それでも人気シリーズの続編放送は、今年のテレビ界における大注目イベントとなっている。
リンチ監督との会見のために、米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス(Los Angeles)のサンセット・ストリップ(Sunset Strip)にあるホテルに集まったジャーナリストらは、「プロット、ストーリー展開、登場人物、場所」には触れないように指示された。
新シリーズに関する一般的な質問でさえも簡潔な応答しかなく、会見の質疑応答では大まかな方向性が示されるのみだった。
『イレイザーヘッド(Eraserhead)』や『ブルーベルベット(Blue Velvet)』など、リンチ監督の作品では、不気味で明晰な夢と現実との境界線が曖昧だ。
監督自身とのインタビューでも同様の感覚に陥る。
リンチ監督は、
「アイデアというのは魚みたいなものだ。魚が欲しいと思ったとする。
そうしたら、餌を釣り針に付けて水中に投げ入れてじっと待つ。
驚いたことにアイデア──いや、魚か…が泳いできて、それを手に入れられる」
と自分の映画作りの哲学を語った。
「その次は、その魚が好きか…良いアイデアと思うか、だ。もし大好きなら、その小さな魚はとても大切なものになる」
■金の卵を産むガチョウ
インタビューで、ローラ・パーマー(Laura Palmer)を殺した犯人を途中で明かしたことが、最終的にオリジナル作品を台無しにしたと思うかと問われたリンチ監督は、おもむろに金の卵を産むガチョウの話を始めた。
そして、もし誰かガチョウを殺すとしたら、それは「良くないことだ」と語った。
そして、
「いつも言っていることだが、ヴェーダ語の表現では次のようなものがある。
人がコントロールできるのは行為のみで、その行為による結果ではない。
だから何かを終えたら、それを手放してあとは運命に任せるだけだ」
と続けた。
最後にリンチ氏は、制作に長時間を要するとき、その作品は、最初に書かれたのとは別の世界でリリースされることがあるとの自身の考えを語った。
そして「それは時に奇妙なものだ」と謎めいた言葉でインタビューを締めくくった。
(c)AFP/Frankie TAGGART
2017/05/03 16:29(ロサンゼルス/米国)
スレッドURL:http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1493816349/
吹き替え作るなら亡くなってる声優さん以外は同じ人で作ってほしい
「ローラ・パーマー最後の七日間」ですら、クーパーとレオ以外声優総取っ替えだったから期待出来ないかもね
とりあえす放映始まる7月に十数年ぶりにWOWOW課金するわ
ドラマの吹き替えはWOWWOWが頑張ってくれると信じてる
キャストが無駄に多くて不安なんだけど
リンチの映画は俳優が本当にいい
リンチがタートルネックでも顔隠してイザベラロッセリーニと並んでる写真も好きだ
カルトな監督にメジャーな素材を与えると面白いもの作る
サム・ライミもそう
コメント
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コメント (2)
マルホランドドライブがちょうどいいってのは分かるw
イレイザーヘッドはやり過ぎ
エレファントマンはちょっと感傷的
ストレイト・ストーリーはリンチっぽくない
マルホランド・ドライブは丁度いい
ワイルドアットハートはトゥルー・ロマンスっぽい