【映画レビュー】「立候補」マック赤坂が心折れず立候補し続けた意味がここにある
傑作。一流のエンターテイメント。痛快と同時にズシリと重たい大事なものも宿題として持ち帰らせてくれる。
このドキュメンタリー映画は2011年大阪府知事選に立候補した「泡沫候補」たちにスポットを当てた作品。
2011年は大阪ダブル選で橋下徹氏率いる維新の会が旋風を起こしていた選挙戦。
維新側からすると無風状態のような選挙戦で、当選する見込みもなくなぜ彼らは立候補という形で政治参加をしようとするのかを見つめた作品だ。
作品の中心となるのはマック赤坂。選挙の旅に出馬しては面白政権放送をやらかす
最も有名な泡沫候補と言っても良い存在だろう。今回の参院選にも出馬している。
その関係で特定の政党や個人を応援する目的でこの映画を公開しているのではない、と公式サイトで声明を出し、
氏名や写真を削除している状態だが、これはこれでインパクトがある。
この映画はマック赤坂氏がなぜあのようなパフォーマンスでもって懲りずに出馬し続けるのかの謎に迫る。
そしてその彼の姿から僕らの思考から抜け落ちた、しかしとても基本的な政治参加の形を浮かび上がらせる。
民主主義の基本中の基本だけどいつの間にか僕らが忘れていることを。
藤岡監督の言葉を借りれば、それは「政治参加の手段なのに、みんなの意識の中にないもの」だ。
2011年、マック赤坂は大阪の地で府知事選に立候補。数多くの選挙に立候補しことごとく惨敗。
しかし、奇抜なパフォーマンスで印象だけは強烈に残してきた男。今回「も」立候補。
そして結果いつものように「惨敗」。
しかし、この映画はその惨敗に至る選挙活動を丹念に、他の泡沫候補のインタビュー等も交えながら追いかける。
(つづく)
2013年07月17日 08:00
http://blogos.com/article/66389/
元スレ:http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/liveplus/1374409574/
自分の政権放送を見ながら、同じスマイルのポーズを取ったり、お茶目なところを見せるマック候補の姿など、
前半は笑いを誘うシーンが多く見られるが、マック氏の息子がインタビューで登場してきたあたりから、様子が変わり始める。
長年息子の立場から立候補しては笑い者になる父の姿を見てきて、
これが単なる道楽ではなく、本気の思いからくることをどこかで気づいていた。
その彼の本気具合が見え始めるのが橋下徹氏の応援演説に対抗しようとする場面。
周りは全て橋下ファンと維新の支持者。そこに単身割り込み演説を始め、
周りの聴衆からは帰れ、帰れの怒号の嵐。あのような状況でも自分の芸を曲げずに貫き通す
マック赤坂の姿は感動を覚える。彼はなぜそこまでするのか。
あれだけの罵声を浴びても心が折れないというのは凄い。
マック氏自身の言葉でいえば、同じ額の供託金を払っていてもその扱いに差がある。
平等に権利を与えられているのが民主主義じゃないか、という。
ルールを守り、同じ額の供託金を払いさえすれば、同じ土俵で闘える。それが民主主義の基本。
マック赤坂は自身の立候補で民主主義の基本理念を説こうとしていた。
マック赤坂にはどれだけ政策の中身があるのかわからないし、彼は間違いなく変人だろう。
しかし、そんな変人にも皆と同じ権利が与えられているのが民主主義。選挙権も被選挙権も誰もが持っているのだ。
そう、僕らは政治参加、というものを考える時に忘れがちなのが投票だけが政治参加じゃないってことです。
立候補という政治参加の選択肢についてきちんと深く考えたことがない人が僕も含めて多い。
知らず知らずのうちに自分が持っている権利「被選挙権」のことを忘れているかも知れない。
マック赤坂はそのことを思い出させようとしている。
(つづく)
僕自身、「投票したい候補者いねーなー」と愚痴ってしまうときがある。
愚痴りながらも少しでもマシな候補者が誰かを考えて投票する。そこで僕の政治参加は終わっている。
しかし、マック赤坂は違う。彼は愚痴る前に自分が立候補している。
愚痴るヒマがあったら自分の言葉を有権者に伝えるポジションに行こうとする。
ラストの秋葉原。安倍支持者(その支持者が掲げる日の丸)に囲まれ、
大阪の時以上に厳しい言葉がマック赤坂に浴びせられている。
中には売国奴などというコピペみたいな言葉を叫ぶ輩もいる。
マック陣営は本人を含めて数人。その中に彼の息子の姿があった。
息子は一度も父親の選挙活動を手伝ったことはなかったのに今回は初めてそこにいた。
そして日の丸掲げ汚い罵りを繰り返す群衆に1人で立ち向かう。
すの姿を見たマックは吹っ切れたように「わっはっは」と笑う。
その後の怒号飛び交う中でのパフォーマンスは圧巻の一言。
ここに本当に僅かであるかもしれないが、マック赤坂が立候補し続けた意味が生まれた。
自分の息子という身内ではあるが、彼の政治に対する執念はこの瞬間確実に1人の人間を動かしたのだ。
彼の政治活動が、彼の息子をたった1人であの怒れる群衆に立ち向かえる勇気ある人間に変えたのだ。
心の底から感動した。2013年で1、2を争う作品だろう。
人間ドラマとしても一級品、政治を考える素材としても大変価値のある作品だ。
(おしまい)
日本語をゆがめるな。
山本太郎よりマック赤坂のほうがいい政治家になると思うぞ
企業家で色々わかってるはずだし
反原発で怪しいのが裏にいる人間より1000万倍マシ
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