ナインス・ゲート
悪魔の研究家としても名高い収集家ボリス・バルカン(フランク・ランジェラ)の依頼を受け、稀覯書発掘人である本の探偵ディーン・コルソ(ジョニー・デップ)は、1666年発表の伝説の悪魔祈祷書『影の王国への九つの扉』を探すことになった。世界に3冊しか現存しないというこの本の1冊を入手したバルカンは、コルソに残る2冊を見つけて真贋を鑑定してほしいというのだ。
世界に3冊しかない「悪魔の書」を探してコルソが訪れる、ニューヨーク、トレド(スペイン)、シントラ(ポルトガル)、パリなどが、ヨーロッパの風光明媚な風景に独特の陰影を加えてスクリーンに映し出され、いかにもミステリーの舞台にふさわしい雰囲気を演出している。
本の所有者の住居も、本物の城や退廃した貴族の屋敷であり、それらも独特の重厚感や幻想的な雰囲気を醸し出している。
コルソに付きまとう謎の女性の正体とその目的は?
彼は、書に隠された秘密の鍵を手に入れるが、本の所有者が次々殺され、謎は深まるばかりである。
悪魔崇拝の儀式やら、常識では理解出来ないシーンも多く、謎が謎として解き明かされぬままラストを迎えるなど、消化不良的要素は強いが、ロマンスキーの演出とデップの鬼気迫る演技とは一見の価値があろう。
理屈では割り切れぬ作品である。
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