40越えのおっさん。漫画は未読、アニメのみ鑑賞。てっきり柱が敵を圧倒する勧善懲悪のストーリーだと疑うことなく映画館に足を運んでいたため、ラストで個人的にどんでん返しの衝撃をウケ、そのショックのまま柱の生き様に精神もってかれて号泣を止められなかった。
柱にとっての目的は鬼の討伐であり、その目的達成において自身の命の終わりさえも一つの過程に過ぎないと何の心の揺らぎもなくそれを受け入れる強さ、そしてその道を引き継ぐ者たちにバトンを渡すためにその者たちの命を確実に守り抜く優しさ。たかだかアニメ、ありきたりなプロット、こう言われてしまえばそれまでだがこの映画は心に響いた響いた。恐らく描き方が他作品と比較して100点に比較的近いのだと感じる。
世の中、映画パールハーバーで涙する人たちもいるとか。そうであるならこの映画で泣く要素がない人だっているのは理解。ただ、社会現象と言っても過言ではないヒットを飛ばしているのも同じく良く理解できる作品。

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「良い映画」と「何度でも観たくなる映画」は同じではない。
短期間で歴代トップの興行収入を、特典商法と言うのは間違い。

私も２度観たが、煉獄さんの言葉は心に響いた。
受け容れられない方がいるのは当然だが、これだけヒットしているのには納得。

煉獄さんにまだ思い入れが無かったのと唐突な展開に驚いた方が強くて泣けなかった。
テレビ版で時間をかけて炭治郎達と共闘してたら違ったのかもしれん。ただ、もう一回見たら泣くと思う。

いいおっさんが仮面ライダーとかで泣くのと同じですね

まず映画の評価は泣けるか泣けないかのみで行われるものではないことを前提に。
なぜこの映画はやたらと「泣けた」という評判が多いのか。恐らくより多くの人の琴線に触れやすいものが描かれているからかと。それは言い方を変えると普遍的なものが描けている可能性が高いからなのかもしれない。この映画で描けていた可能性のある普遍的なものは「人に引き継ぐこと」「人から受け継ぐこと」ではないだろうか。世の中の老若男女がいつでもどこでも経験し得るもの。例えば家庭において親と子の間で、例えば学生の部活動において先輩と後輩の間で、例えば職場において上司と部下の間で。様々なシーンで何かを引き継ごうとする者、それを受け継ごうとする者がある。どちらの立場になってもその責任と重さを感じつつ、自分の至らなさ力不足を感じながらそれを成そうとしている、または成してきたのだろうと思う。その中、煉獄さんの生き様、かまぼこ隊の苦悩は、自分の成そうとしているもの、成してきたものに重ねやすいのだろうと感じる。そこには自分の至らなさに対する悔しさ、自分のがんばりへの励み、引き継ぐ・受け継ぐ対になる相手への想い、普遍的でありながら複雑で深い感情が様々巡るのではないか。そこから流れる涙のように感じる。
冒頭で書いた通り泣けるか泣けないかが映画の評価を決めるものではないはず。この映画で泣けるから偉いわけではないし、泣けないから人として異常というものでもない。願わくばもしこの映画が上記の通り普遍性のある何かを描けているなら、そこから暖かいものが多くの人に伝わったら嬉しい。