アニメ映画「この世界の片隅に」片渕監督が「女優のん」を選んだ理由
第2次世界大戦時の呉、広島を舞台に「日常の幸せ」を鮮やかに描き出した作品だが、主人公・北條すずの声を演じているのが女優のん(23=本名・能年玲奈)だ。
なぜ、のんだったのか。
片渕須直監督(56)に聞いた。
――のんさんをヒロイン・すずに選んだ理由は
片渕監督:
すずさんの性格はとんでもなくユーモラス。
でも若い女優さんで自分がコメディエンヌであるという自覚を持っている人って、いないんですね。
のんちゃんは「あまちゃん」の主人公を演じる中で、一生コメディーの道を歩むことになっても構わないと決めたと。
そういう自覚を持ってる人はあまりいらっしゃらない。
すずさんは穏やかな性格でもあるのでハマる気がした。
僕らはキャラクターのイメージを作りつつ作画するのですが、僕は勝手にのんちゃんの声を当ててました。
――依頼する前からですか
片渕監督:
依頼する前からです。
すずさんはこんな話し方です、というのを自分の中で決めないと、口を動かすタイミングがわからないし、絵も作れない。
誰かの声を借りてやるといいんですが、僕はのんちゃんだったんです。
でも、実はメーンスタッフも全員のんちゃんだった(笑い)。
相談も示し合わせもしてないのに。
――プロの声優さんにはない良さがある
片渕監督:
のんちゃんは、よりナチュラルな部分があると思ったんですよ。
その分、すずさんという人がよりドキュメンタリーチックにつかまえられるんじゃないかと。
のんちゃんには台本を読むという仕事ではなくて、すずさんの生きている感じを全部出してほしいとお願いしました。
そのために「ガンマイク」という超指向性マイクで口元を狙って、細かい息遣いやニュアンス、セリフがないところも全部拾って。
僕らには彼女が演じれば、すずさんという存在がうそにならないという確信があった。
本当に存在している人だと信じられるぐらい、存在感があった。
――アニメでは絵が声入れに間に合わないことがあるが、アフレコでは絵が全部出来上がっていたのですか
片渕監督:
残念ながらそうでもなかった(苦笑)。
ただのんちゃんはセリフの細かいニュアンスにいたるまで、ものすごくたくさんのことを質問してきたんですよ。
僕もすずさんを捉え直す機会になったんです。
そのときに絵を描いていなければしめたもので(笑い)。
考えていたものとちょっと違うかもしれないけど、こっちの方がずっとすずさんらしい、というのをどんどん取り込んでいった。
出来上がっていた絵を描き変えるということすらやっています。
特に最後の方はそうでした。
――2人ですずさんを作ったんですね
片渕監督:
声の部分はそうですね。
彼女はフィットするって言っていたんですけど、いろんなものがフィットして、とうとう最後はすずさん本人になっちゃった。
――作画スタッフからは泣きが入ったのでは(笑い)
片渕監督:
だから作画監督の松原(秀典)はアフレコの現場に来ないで、スタジオで一生懸命描いたんです。
それで全部撮り終わった音を聴いたときに、ひと言「パーフェクト!」って。すずさんとしては完璧だと。
――どんな人に見てもらいたい
片渕監督:
アニメーションが若い人向けだと思うと、実はこういう企画はあまり出てこない。
テレビでアニメーションを放映したのは1963年。
で、そのころに生まれた人たちは50代。
ということは、もっといろんなことを語っていいのでは、と思ったんですね。
広い世代の人たちに自分のものだと思って見ていただいていいと思うんです。
でもこれはチャレンジ。
実はすごい新機軸なことなんですよ。
【プロフィル】
★のん 1993年7月13日、兵庫県生まれ。23歳。本名・能年玲奈。2013年、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のヒロイン・天野アキ役を演じ、数々の賞を受賞。16年7月に本名から現在の芸名へと変更。本作がアニメーション映画初主演となる。
★かたぶち・すなお 1960年8月10日、大阪府生まれ。56歳。アニメーション監督・脚本家。「魔女の宅急便」(89年)で演出補を務め「名犬ラッシー」(96年)で監督デビュー。主な作品は「アリーデ姫」(01年)、「BLACK LAGOON」(06年)、「マイマイ新子と千年の魔法」(09年)など。
2016年11月10日 16時30分
http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/615060/
スレッドURL:http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1478770974/
それは高倉健と同じで役を演じるにあたって、役を汚さない。
だからあまちゃんもホットロードも演技論とかでは語れない次元で素晴らしいんだよ
舞台演技じゃなくキャラクターを存在させてるというか。
能年玲奈が演じてるってのはわかるけど画面に映ってるのは明らかに映画の主人公なんだわ。
もう完全に天野アキだったから、あまちゃん終わってから普段のおどおどしてるというか恥ずかしがり屋な部分を見てびっくりした。
で、ブログとか読んでみると実はやっぱり天真爛漫な人だからどれが本当の能年玲奈かわからなくなった。
とりあえずキラキラの瞳にやられたわ
能年玲奈って名前に戻せたら良いなあ
テレビ復帰も近いな
大番狂わせがあってもいいではないか
クラウドファンディング発の映画でもいけるんだということを示して欲しい
片渕監督はこの映画製作の為に一家の預金を切り崩し
一家4人食費100円で生活するとこまで落ちてんだ
絶対にこのアニメはヒットさせてやりたい!
別撮りじゃね
初挑戦で、せめて収録でリアルにセリフを掛け合わせないから
のんが一人だけ異質、みたいなことになる
好意的だとのんの部分をドキュメンタリーパートと言ってたりするけど
のん以外は全員手慣れた芝居っけたっぷりなのにな
意外とマッチしてそうだし見てれば慣れそうな感じはある。
作品には期待してるわ。
コメント
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コメント (4)
地元だと12月公開なんだよなぁ
まだ予告しか見てないけどのんの声は結構合ってると思った。
ただ他にうまい俳優声優は山ほどいるしのんを主役にしたことにより
事務所のごたごたした騒動でテレビで全然宣伝してもらえない点を見るとマイナスがあまりにも多い。
原作はいい作品なだけに上映知らないって人多いんだろうな。のんのせいで
こないだスッキリにも取り上げれてたし、そこまでマイナスではない気がする
試写会の評判は尋常じゃないぐらい良いからクチコミでジワジワ来るんじゃない?
私はこの手の映画苦手だから見に行かないけど
商業作品である以上一定ラインは超えてほしいが、これとか野火とかそういう系は
日本では見込めないだろうな