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『冬冬の夏休み』は、ホウ・シャオシェン監督が、誰しもが感じた夏休みの思い出と、
一人の少年の成長をノスタルジックに描いたドラマだ。

そして本作が、日本人なら誰もが知っている名作アニメ『となりのトトロ』（1988年）の元ネタになっているのではないか、
と密かに言われていることを知っているだろうか。

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都会の小学校を卒業したばかり、まだまだあどけない様子の少年トントン。

母が病気で入院したため、妹のティンティンとともに祖父のいる田舎・銅鍋（トンロー）の家で夏休みを過ごすことになる。
この「病気の母と別れ、都会からやってきた子供たちのひと夏の冒険」という設定がトトロそっくりなのだ。

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さらに、日本の昭和中期を思い起こさせる静かな“田園風景”、子供たちが亀レースに興じる“大きな木”、
ひっそりと佇む“神様の祠”といったモチーフもトトロに引き継がれている。

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また、本作の重要なキャラクターである「寒子（ハンズ）」は天気に関係なく常に傘をさしており、
森の精トトロが持つ秘密道具の傘を思わせる。

精神を病んでいるゆえに、寒子は言葉を発することは出来ず、
社会的にも弱い立場に置かれているが、不思議な縁により妹のティンティンと心を通じ合わせていく。

世俗に交わることのない寒子は、どこか神聖な雰囲気を漂わせている所も見逃せないポイントかもしれない。

『冬冬の夏休み』は、いきなり卒業式の「仰げば尊し」が歌われるシーンで始まることから明らかな
ように、卒業・成長をテーマにしている。

『トトロ』もまた、自然との懐かしい交流の中で、サツキやメイの
心の成長が描かれている。トトロがたまらなく好きという人にもおすすめしたい、観る人の心を懐かしい
「夏休み」に還す、永遠の名作がついに復活する。

同時公開となる『恋恋風塵』もまた、ホウ・シャオシェン監督の80年代を代表作。鉱山の町から都会へ
やってきた幼馴染の青年と少女の淡い恋の行く末を、清廉に描き出す日本人にも人気の一作だ。

映画『冬冬の夏休み』『恋恋風塵』は5月21日、
ユーロスペースにて2週間限定公開後、全国順次ロードショー。

（動画=YouTube）

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ソース：TimeWarp
http://timewarp.jp/movie/2016/05/17/81482/